広がる淋病

性感染症学会の続きになります。

2002年をピークに淋病は年々減ってきていましたが
昨年、2010年は増加の方向にありました。

淋病やクラミジアは、セックスによる性器からの感染が主でしたが
オーラルセックスの広がりによって、
喉に感染して、喉から感染するというパターンが多くなっています。
淋病についてはフェラチオからうつることが、半数以上を占めます。

たしかに去年から今年にかけて
咽頭検査で淋菌が検出されるのは増えています。
しかし、クラミジアに関してはあまり変化はありません。

年齢的には、男性が20代後半、女性が20代前半といったところです。
そして10代も男女とも増えてきています。

セックスに伴って感染していく病気ですから
セックスに関心があって、活発な年代に多くなってきます。

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性感染症学会

長らく中断しておりましたが、また書き始めていきます。

12月3日、4日と永田町の都市センターホテルで
第24回性感染症学会が開催されました。

話題となったのは、淋菌やクラミジアの咽頭感染
オーラルセックスで喉に淋菌やクラミジアが感染するということです。

20代、30代ではパートナーとのセックスでオーラルセックスは必須であるという状況で
また、ヘルス、デリヘル、ソープなどの風俗でもオーラルのサービスは必須となっています。
このような状況で、ここ数年喉からの淋病やクラミジアの感染が年々増加しています。

淋菌やクラミジアが喉に感染しても違和感程度でほとんど症状ないのが、まず厄介なところです。
また女性器に感染してもその80%は無症状です。

しかしこれがペニスに感染すると
淋病では、白~黄色の膿が下着にもベットリつくくらいに大量にでて、強烈な痛みもあり、
亀頭も赤く腫れたりもします。
クラミジアでは、透明な分泌物があり、痛みもあまり強くはありません。

男性ばかりに症状が現れて不公平のようですが
女性は症状がないために感染に気付かず、長い間そのままに放置してしまうこともあり
不妊の原因となってしまうことがあります。

検査の感度はかなり良くなっているので、
気になるような事があれば、まずは検査をすることをお勧めいたします。

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セクシャルネットワーク

1:1のセックスの関係では
性病の感染はないと書きましたが

これは現在はもちろん
過去も含めての話です。

どちらかが
現在までに複数のパートナーと関係があると
性病の感染の可能性が生じてきます。

また関係したパートナーも
何人とも関係を持っていれば
感染は広がっていきます。

有名な例で
アメリカで1人のHIV患者から
性的な関係を追跡していったら
なんと40人以上もの男女がリストアップされ
何人かはHIVに感染していたということです。

これがセクシャルネットワークと言われるものです。

セックスの関係を線で結んでいくと
この線が集中している人がいます。

この人達をコアと呼んで
感染の流行に重要な役割を果たします。

つまりこの人に性病の感染がおよんだときに
このネットワークでの感染のスピードは
格段に上がるのです。

たとえ1人としか関係がなくても
その1人がコアの人物であれば
性病に感染する危険性は高まってしまうのです。

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誰から感染した?

「ひとりの人としか、付き合っていないのですが」
「セックスの相手は、ひとりだけです」

「性病はどこから感染したのでしょうか?」

セックスのパートナーがお互いにひとりだけなら
基本的に性病には感染しません。

性病は感染したらすぐに症状が出てくる
病気だけではありません。

たとえば、尖圭コンジローマ
これは感染してイボが現れてくるまで
3ヶ月から6ヶ月くらいかかります。

それとヘルペス
通常は1週間以内に水疱ができて
痛がゆいような症状がありますが

感染したウイルスの量が少ないと
いったん身体の中に潜んで
風邪、発熱、過労などをきっかけに
症状を現します。

この場合は数ヶ月から数年経ってから
症状が出てくることがあります。

クラミジアも症状は出にくく
男性では50%、女性では80%で
自覚症状がなく
感染に気づかないとも言われています。

気づかないまま
数ヶ月、半年、1年と過ぎてしまうことがあります。

つまり、いま1週間、1ヶ月間は
セックスのパートナーはひとりだけでも

3ヶ月前、半年前、1年前・・・はどうだったでしょうか?

他にセックスのパートナーはいなかったでしょうか?

自分に性病の症状がでてくると

「まさか、私に隠れて・・・」
「俺の知らないところで・・・」
という思いがサッと頭をよぎりますが

すこし過去に時間を戻していってみてください。

男女間のセックスだけではありません。

男性同士、女性同士のセックスでも
フェラチオだけ、アナルだけのセックスでも
感染の可能性は考えられます。

思い当たることはありませんか。

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インフルエンザと性病ウイルス

新型インフルエンザが再び流行しています。

インフルエンザウイルスは、気道粘膜に感染して
そこで1日か2日で急速に増殖して
咳やくしゃみなどによって再び空気中にまき散らされて
次々に感染していきます。

また鼻水や唾液にも含まれるので
これらが付着したものからも感染します。

インフルエンザウイルスは非常に強い感染力を持っています。
人混みでマスクをしないで咳やくしゃみをしたら・・・

1回で数十人から数百人に
感染が広がってしまう可能性があります。

それでは、性病に関係するウイルス

ヘルペスウイルス
パピローマウイルス
エイズウイルスについてはどうでしょうか?

これらのウイルスの感染ルートは
セックスによる接触ですから
基本的には1回に1人ずつになります。

またこれらのウイルスは
1日や2日で急激に増殖するウイルスではないので
短時間で次から次と感染が広がっていくことはありません。

しかし尖圭コンジローマやHIV感染症では
特に痛みがあるとか発熱するなんて言うこともないので
本人が気づかないうちに感染させてしまっている
ということがよくあります。

性感染症に関わるウイルスの感染率は
尖圭コンジローマのパピローマウイルスで
20~30%

エイズウイルスでは数%と
感染力が弱いのですが

いちど感染してしまうと
ウイルスを取り除いたり
病気の進行を食い止めるのに
かなりの時間と手間がかかってしまいます。

インフルエンザだけでなく
性病についても
感染の防止には
十分に気をつけてください。

インフルエンザの予防は
うがい、手洗い、マスクですが

性病の予防は
ずばり!コンドームの着用です。

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尿道炎と膀胱炎の薬~まとめてみました。

尿道炎や膀胱炎の薬について
書いてきましたが

ひとつの薬で
大腸菌、ブドウ球菌から
淋菌、クラミジア、マイコプラズマまで
カバーできるものはありません。

ニューキノロン系
ペニシリン系
セフェム系
テトラサイクリン系
マクロライド系
アミノグリコシド系

それぞれの薬について
よく効く菌
あまり効かない菌
まったく効き目のない菌
があります。

ペニシリン系やセフェム系の抗生物質は
淋菌をはじめとした
ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などの細菌には
よく効きますが
クラミジアやマイコプラズマには
まったく効きません。

ニューキノロン系の抗菌剤
テトラサイクリン系抗生物質
マクロライド系抗生物質は
クラミジアやマイコプラズマには
よく効くのですが
淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などには
ペニシリン系やセフェム系の抗生物質と較べると
効き目はいまひとつです。

尿道炎や膀胱炎では
どんな菌が感染しているのか
検査で確認します。

しかし、
痛みがあったり
膿がでているのに

「検査結果がでるまで
治療はできません。」
ではたまりません。

「はやく何とかして下さい!」と言いたくなります。

まずはペニシリン系やセフェム系の抗生物質で
淋菌やブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などの細菌軍団に
ターゲットをさだめて治療して

次に、ニューキノロン系の抗菌剤
テトラサイクリン系抗生物質
マクロライド系抗生物質で
クラミジアやマイコプラズマを
退治していきます。

この抗生物質を使う順番が
治療のポイントです。

尿道炎の治療で
かなり手こずってしまうのは
症状が取れてしまうと
薬を飲むのを中断してしまうからです。

症状がなくなっても
細菌は完全になくなったわけではなく
わずかに生き残った菌が増殖して
尿道炎が再発します。

このときには同じ薬では効かなくなっています。

そうなると
また振り出しに戻って
どの抗生物質が効くのか
探りながら治療を進めます。

なので
完治するまでの道のりは
かなりの遠回りになってしまいます。

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尿道炎と膀胱炎の薬~ほかになにかある?

尿道炎や膀胱炎の治療に使っている
薬について
とりあえず、ひと通り書いてきました。

おそらく90%以上は
カバーできているでしょう。

これまでに
まだ紹介されていないものは・・・

あっ、そうですね。

フラジールがありました。

これは、トリコモナスの薬です。
おもにトリコモナス膣炎に使います。

女性側の症状は
ドロッとした大量のおりものと痒みで
症状はハッキリ現れますが

男性側にはあまりというか
感染してもほとんど症状は
現れません。

しかし、尿の検査では
トリコモナスの姿を
しっかり捕らえることがあります。

女性だけを治療して
男性が治療をしていないと

パートナーから感染して
何回も繰り返してしまう
ということがあります。

こういった感染を防ぐために
パートナーにも一緒に
フラジールを服用してもらいます。

フラジールの副作用で代表的なものは

あんたブス!

いやっ、失礼しました。

アンタビュース作用です。

フラジールは
アルコールの代謝を阻害します。

ひちくち飲んだだけで
頭はガンガン
気持ち悪くてゲーゲー

たちまち二日酔い状態になってしまいます。

アルコール類のお好きな方は
少々つらいのですが
服用中の飲み会には注意してください。

お医者さんによっては
トリコモナスの治療に
ハイシジンという薬を
使うことがあります。

これもフラジールと
同系統の薬です。

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尿道炎と膀胱炎の薬~アミノグリコシド系

アミノグリコシド系の抗生物質は
ほとんど性感染症の治療には使われません。

尿道炎や膀胱炎の原因となる菌には
あまり効果がないのです。

とりあえずは、ぶどう球菌や大腸菌に効きますが
それでもペニシリンやセフェム系の抗生物質には
ちょっと力が及びません。

得意分野は、結核菌とか緑膿菌で
性感染症とは関係が薄い菌です。

それじゃ、なんで取り上げたの?
というところだと思います。

ところが
このアミドグリコシド系抗生物質のなかで
一つだけ性病にはとっても重要な薬があるのです。

それが、硫酸スペクチノマイシン
トロビシンです。

この薬剤のターゲットは
ずばり、淋菌です。

むか~しから
淋病にはトロビシン
すっごい痛いけど
一発で治る。

といわれています。

飲み薬ではありません。
注射です。

1回にだいたい6~7ml
結構多量ですから
お尻の両側に打ちます。

ちょっとドロッとしているので
針も太めのものを使います。

この薬は切り札です。
そうすぐには使いません。

まずセフェム系やテトラサイクリン系抗生物質で
治療をしてみて
なかなか症状が改善しない
よくならない
手に負えないようであれば使います。

トロビシンが使えなくなると
淋病の治療はかなり手こずります。

それでも
トロビシンを2回打ってやっと治った
という報告も出てきています。

切り札は大事に使っていきたいものです。

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尿道炎と膀胱炎の薬~マクロライド系抗生物質

1952年にフィリピンで
エリスロマイシンが発見されたのが
マクロライド系抗生物質の最初です。

エリスロマイシンは
組織への浸透性はよいのですが
まず吸収がよくないのと
副作用として消化器症状
特に下痢がきついので

これらの点を改良した
クラリスとジスロマックが
現在中心に使われています。

マクロライド系抗生物質は
重大な副作用がなく
比較的安全に使える抗菌剤です。

テトラサイクリンと同様に
リボゾームに取り込まれて
その働きを停止させて
細菌の活動を止めてしまいます。

ぶどう球菌やレンサ球菌から
クラミジア、マイコプラズマまで
さらに梅毒トレポネーマにも抗菌力があります。

性感染症では
クラミジア性やマイコプラズマ性の
尿道炎や膣炎の治療意外には
あまり使われないのですが

ペニシリンアレルギーがある人には
ペニシリンの代用として
梅毒の治療に処方されます。

クラリスやジスロマックは
細胞への浸透性が高く
作用の持続性があるので
1日1~2回投与で効果があります。

とくにジスロマックは
服用後5日間も効果が持続します。

なので、クラミジアの治療に
1g1回だけの服用で効き目があります。

しかし、最近では1回だけの服用で
完全にクラミジアやマイコプラズマが
取りきれていない場合があるので

服用から2週間後に
検査で確認する必要があります。

陰性ならば問題ありませんが

もし陽性ならば
再度ジスロマックを服用するか
他の抗菌剤に変更して
治療を進めます。

そしてまた検査です。

尿道炎や膀胱炎、膣炎では
必ず確認の検査をしてください。

症状はなくなっても、
細菌は残っていることがあります。

その場合には、ほぼ100%再発します。

そのときには同じ薬は使えず
治療は厄介で長引きます。

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尿道炎と膀胱炎の薬~テトラサイクリン系抗生物質

ビブラマイシンやミノマイシンなどの
テトラサイクリン系抗生物質は
1960年代後半に
セフェム系抗生物質と
ほぼ同時期に開発されました。

淋菌から梅毒、クラミジア、マイコプラズマまで
幅広く抗菌作用があります。

ペニシリン系やセフェム系抗生物質は
細菌の細胞壁の合成を阻害して
細菌自体を壊してしまうように働きますが

テトラサイクリン系の抗生物質は
リボゾームという
細菌の代謝に関わる組織に取り込まれて
細菌の活動を停止してしまうように働きます。

ペニシリン系やセフェム系抗生物質に比べて
作用が穏やかなので
初めから使用される機会は少ないようです。

しかし作用時間が長いので
1日1~2回の服用でよいという
利点もあります。

一方、副作用が多いのが難点で
骨の発育障害や
歯の色素沈着があるので
妊婦と小児には使用しません。

またよく見られる副作用として

吐き気、めまい
光線過敏症
食道潰瘍などがあります。

乳製品や制酸剤との併用で
吸収が低下して
思うような効果が得られない
こともあります。

ですが、ペニシリンやセフェムが
効かない時の切り札としては
かなり頼りになる存在です。

淋菌とクラミジアが同時に感染した場合には

まず、セフェム系抗生物質で淋菌を退治して
次にテトラサイクリンでクラミジアを治療します。

この組み合わせによって
スッキリ一件落着です。

また、尿検査で白血球が出ていたり
尿道に痒みや不快感があったり
粘液のようなものが出て
尿道炎の症状はあるけれど
細菌は見あたらないようなとき

これはマイコプラズマの可能性があるので
ビブラマイシンやミノマイシンなどを服用すると
症状がなくなることがよくみられます。

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尿道炎と膀胱炎の薬~セフェム系の抗生物質

セフェム系抗生物質の素となるセファロスポリンは
1945年にイタリアのジュゼベ=ブロッツによって発見され
1964年に実用化されました。

飲みやすく
副作用も少なく
さまざまな細菌に効果があるなどで
現在でも最も多く使われる抗生物質です。

ぶどう球菌、レンサ球菌、大腸菌、淋菌など
尿道炎や膀胱炎の原因となる常連さんに
良く効きます。

セフェム系抗生物質は
開発された時期や
効果を示す細菌などによって
第1世代から第4世代までに分類されます。

それでは第1世代はもう効き目がないのか?
と言われると
決してそのようなことはなく

注射のセファメジン、内服のケフレックスなど
淋病をはじめとして
尿道炎や膀胱炎の治療に活躍しています。

第2世代では
注射はセフメタゾン、経口ではセフゾンなど

第3世代になると
注射はロセフィン、経口ではセフスパンなどが
使われています。

これらは、尿中の濃度が高くなるように
耐性菌にも効くようにと
改良が加えられてきています。

現在、淋病治療では
このロセフィンやセフスパンが
主役になっています。

それじゃあ、第4世代は最強?

残念ながら第4世代は
緑膿菌にターゲットが絞られていて
ブドウ球菌、連鎖球菌、淋菌などへの効果は
むしろ弱くなっています。

セフェム系抗生物質はペニシリンと同様に
クラミジアやマイコプラズマには
効き目がありません。

尿道炎、膀胱炎、膣炎の治療には
クラミジアやマイコプラズマに効く
テトラサイクリン系抗生物質や
ニューキノロン系抗菌剤と
うまく組み合わせて
治療を勧めていくことがポイントです。

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尿道炎と膀胱炎の薬~ペニシリン系の抗生物質

ペニシリンは、
1929年にフレミングが
青カビから発見した抗生物質で
この発見によって
感染症の治療が格段に進歩しました。

しかし実用化されたのは
発見から10年ほど経った1940年
第2次世界大戦中です。

その後世界中に広まり
性感染症では淋病などの尿道炎や
梅毒の治療に使われ劇的な効果を上げましたが
乱用によって耐性菌が増加し
その効果は激減してしまいました。

しかし現在でも
ブドウ球菌、連鎖球菌、腸球菌、大腸菌などには
第1に選択する抗生物質として用いられ
これらの細菌が原因となる
尿道炎、膀胱炎に使われています。

梅毒トレポネーマには、
唯一殺菌的に働く抗生物質であり

ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応といって
ペニシリンで治療を開始すると
40℃くらいの熱が出ることがあります。

これはペニシリンの投与によって
トレポネーマが急激に大量に死滅して
出る熱と考えられています。

これには解熱剤で対処します。

他の抗生物質では
この発熱は起こらないので
ペニシリンの劇的な作用に
よるものと考えられます。

またしばらく使用されなかったため
淋菌にも感受性を示すようになってきて
サワシリンやオーグメンチンなどが
淋病の治療に使われています。

ペニシリンは、アレルギーに注意が必要です。

蕁麻疹のような皮膚炎の症状や
吐き気、めまい、発熱、溶血性貧血などの症状が
全体の5%くらいに見られるといいます。

10万人に1人くらいの割合で
急激な血圧低下、頻脈、気道の閉塞など
死に至るような強い反応を
示すこともあります。

また崔奇形性がなく
胎児に影響を及ぼさないので
妊婦梅毒や膀胱炎の治療など
妊娠中でも使用できます。

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尿道炎と膀胱炎の薬~ニューキノロン系の抗菌剤

尿道炎や膀胱炎の治療で最も処方されているのは
オゼックス、クラビット、スパラ、スオードなどの
ニューキノロン系の抗菌剤です。

内服で使い易い
尿中に高い濃度が得られる
いろいろな細菌に対応できる
薬価が高い

などの理由で
性感染症に限らず
内科、皮膚科、耳鼻咽喉科などでも
かなり頻繁に処方されています。

尿道炎や膀胱炎と診断されて
とりあえず服用させて様子を見る
ような使われ方もされていたり

効果が見られないと
投与量を徐々に増やしたり

同じニューキノロン系の抗菌剤で
次々種類を変えていったり

最低1週間は服用する必要があるのですが
2,3日で症状が取れてしまって
服用を中止してしまうのも多くみられます。

当初は、淋病に効果があったのですが
このような中途半端な使い方が多くなって

現在、ニューキノロン系の抗菌剤は
淋菌にはほとんど効かなくなりました。

しかし、クラミジア、マイコプラズマに対しては
依然として強力な作用をもっていて
クラミジア性やマイコプラズマ性の
尿道炎、膀胱炎、膣炎の治療に用いられています。

さまざまな細菌に有効性が認められていますが
しばしば尿道炎や膀胱炎の原因となる
ブドウ球菌、B群溶連菌、大腸菌などは
あまり得意ではありません。

むしろ、ペニシリン系やセフェム系抗生物質のほうが
効力があります。

クラミジアの治療に
ジスロマックの1g1回投与が
よく行われるようになってきましたが
効果のうえでは、
クラビット、オゼックスなどの1週間投与の方が
確実なようです。

また、最近よく使われていたガチフロは、
血糖値に異常をきたすことがあり
特に糖尿病患者さんに強く現れることから
現在使用はされていません。

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尿道炎の薬・膀胱炎の薬

尿道炎と膀胱炎シリーズ

どんな菌で起こるの?
どうやって治すの?
どんな薬で治すの?
どれだけ飲むの?

たくさんの方たちが訪問されています。
ありがとうございます。

その中でも、薬についてのキーワードが多いので
尿道炎や膀胱炎の治療に使われる抗生物質や抗菌剤について
もう少し詳しくお話ししていきます。

治療に使われている薬は

サワシリン、ビクシリン、オーグメンチンなどのペニシリン系

ケフレックス、セフゾン、ロセフィンなどのセフェム系

ミノマイシン、ビブラマイシンなどのテトラサイクリン系

クラリス、ジスロマックなどのマクロライド系

トロビシンなどのアミノグリコシド系

オゼックス、クラビットなどのニューキノロン系の抗菌剤


これらが尿道炎や膀胱炎の治療に使われますが
細菌に対してそれぞれに得意不得意があります。

抗生物質の系統別に
詳しくお話ししていきます。

お楽しみに・・・

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いまどきの梅毒検査

今年もまた、ジワジワと梅毒の感染が広がっています。

ペースとしては、昨年より少し上回る感じでしょうか。

昨年は820人ほどでしたが、今年はどこまで行くのでしょうか?

梅毒は、感染から3週間ほどして
性器に硬いしこりのような初期硬結ができ
やがて潰れて潰瘍状の硬性下疳になります。

またイボ状の扁平コンジローマができることもあります。

この初期硬結や硬性下疳、扁平コンジローマには
梅毒トレポネーマがたくさん含まれていて
強い感染性があります。

これらの表面にスライドガラスを軽くこすりつけて
パーカー社製のブルーブラックインクを1滴垂らして
かき混ぜて乾燥させて顕微鏡で覗いてみると
蒼く染まったトレポネーマが観察されます。

この検査は文字通り
パーカーインク法と呼ばれています。

インクを垂らして混ぜた瞬間に
トレポネーマは死んで感染力を失ってしまいます。

しかしこの検査は何回やっても感染が気になって
検査後は何度も手を洗ってしまいます。

梅毒の検査といえば
一般的には血液検査です。

これには
ガラス板法や凝集法などのSTS検査(カルジオライピン抗原法)と
TPHA検査(トレポネーマ抗原法)の2種類の検査があり

これらの検査結果から梅毒の感染を判定します。

STS(+) TPHA(+)
これはもう、梅毒に感染しています。

STS(-) TPHA(+)
この場合は、梅毒の治療後で
完治はしているのですが
感染した証拠となるTPHA抗体は
長く残ってしまいます。

STS(+) TPHA(-)
感染から3週間くらいでは
まだTPHAは陽性にはなりません。
あと2~3週間後に再び検査をして
TPHAが陽性ならば
梅毒に感染しています。

感染ではありませんが生物学的疑陽性といって
膠原病、リウマチ、妊娠時などの場合は
血液が試薬に反応してしまって
STS検査では陽性反応がでてしまう場合があります。

最近では、TPHAの代わりに
FTA-ABSという検査を行うことがあります。

また梅毒の治療後に
完治をしているかどうかの判定に
TPHA IgM抗体検査やFTA-ABS IgM抗体検査を
行うことがあります。

TPHAやFTA-ABSの定量検査だけでは
治癒の判定が不十分なところがあり
IgM抗体検査で陰性であれば
完治して感染性はありません。

梅毒では、これらの検査を組み合わせて
感染や治癒の判定をしてゆきます。


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いまどきの性病検査

「とくに症状はありませんが、
心配なので性病の検査を受けたいのですが
どのような検査がありますか?」

性病の検査とひとくちに言っても
さまざまなものがあります。

その中でも、
調べておいたほうがよいものから
それほどではないものまで
重要度はさまざまです。

性病に関する基本的で
重要度が高い検査は
男性では尿検査
女性では膣分泌物の検査です。

この検査によって
淋菌やクラミジアをはじめとして
尿道炎や膣炎の原因になる
細菌や真菌、原虫などがわかります。

尿や分泌物を培養して
細菌を繁殖させることによって
どういった細菌が感染しているのかがわかります。

またその細菌に最も適した抗生物質も調べられるので
投与するのに最適な薬も決定できます。

ただクラミジアに関しては
培養することができないので

PCR法やSDA法など
クラミジアのDNAを検出する方法が
用いられています。

SDA法やTMA法では
クラミジアと同時に淋菌も検出できるので
これによって
淋菌とクラミジアの検査をするのが
多くなっています。

尿道炎の原因は尿道炎と膀胱炎~どんな薬で治すの?~
にも書いたように
尿道炎や膣炎の原因は
淋菌とクラミジアだけではありません。

どんな菌が原因になっているのかを
突き止めるのが重要です。


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淋菌もクラミジアもない

「尿の検査をしたのですが
淋病でもクラミジアでもないから尿道炎じゃないでしょう、と言われたんです。
でも、尿道が痛がゆいような感じはあるし
膿みたいのも出てくるんです。
ほんとうに尿道炎じゃないのでしょうか?」

尿道炎を起こすのは、淋菌やクラミジアだけではありません。

前にも書いたように
えっちの病気・エッチで病気: 尿道炎と膀胱炎~どんな菌で起こるの?~

いろいろな菌で尿道炎は起こりますし
淋菌やクラミジアよりも
そのほかの細菌によるもののほうが多いくらいです。

尿道の中は、基本的には無菌状態なので
セックスによって口腔内や膣内の細菌が尿道内に入り込んで
尿道炎を起こすのです。

ですから淋菌やクラミジアの検査だけでなく
細菌培養など一般の細菌に対する検査も必要です。

しかし、このような検査をしても
細菌が検出されないこともあります。
でも膿や痛みなどの症状はあります。

尿を遠心分離して顕微鏡で見ると
細菌はありませんが
白血球が数個見られます。
尿道炎が疑われます。

このような時は
マイコプラズマやウレアプラズマが
原因となっていることがあります。

マイコプラズマやウレアプラズマは
大学病院や研究施設などのほかでは
今のところ検出はできません。

症状は、クラミジアと似ていて
尿道に痒いような違和感があったり
透明な粘り気のある粘液の様なものが下着についていたり
といった症状が見られます。

マイコプラズマやウレアプラズマは
クラミジアに効き目がある薬剤に効果が認められるので
この場合、クラミジアの治療法を行ってみると
症状が取れてしまうことがあります。

しかしマイコプラズマやウレアプラズマは
一般的には検出ができないので
症状の有無だけでは治癒の判定が困難で
再発する頻度は高くなります。

トリコモナス、ヘルペスウイルス、アデノウイルスなども
尿道炎を起こすと言われますが

ウイルスが原因と思われる尿道炎は
お目にかかったことはありませんし

尿からトリコモナスが検出されたのは
この30年で数回しかありません。

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クラミジアの治療薬

「先日婦人科でのことですが
クラミジアの治療で錠剤を4錠1回だけ飲んで、
あとは検査も来なくていいよ。治っているから。って言われたのですが
それで大丈夫なのでしょうか?」

おそらく、ジスロマックという錠剤でしょう。

250mgの錠剤を4錠、1gを1回服用して治療するという方法はあります。

以前は1日1回2錠ずつ3日間服用していたのですが
最近は、4錠1回だけというほうが主流になっています。

しかし、これでクラミジアが完全に治るという保証はないので
2~3週間後に確認の検査は必要になります。

「わかりました。やはり確認の検査は必要なのですね。

それで、その検査ですが
セルフチェックではダメですか?」

つまり、自分で行う郵送の検査ということですね。

できれば、婦人科などで検査をしたほうがよいですね。

検査の信頼性では、ほとんど問題ないとは思います。

セルフチェックの場合、
自分で膣に綿棒を入れて分泌物をとるので
説明書はありますが、なかなかうまく分泌物を採取できないことがあります。

基本的には子宮の入り口周辺の分泌物をとるのですが
自分で行う場合には、ほとんど勘に頼るようなことになってしまい
なかなかうまく取れないとおもいます。

少々時間も手間もかかりますが
医療機関での検査をお勧めします。

それにクラミジアだけでなく
カンジダやその他細菌の検査も併せてしてもらえると思います。

「そうですね。婦人科で検査してもらいます。ありがとうございました。」

クラミジアの治療薬は、ジスロマックのほかに

クラリス    1回200mg 1日2回 7日間
ミノマイシン 1回100mg 1日2回 7日間
クラビット   1回100mg 1日3回 7日間

という治療方法もあります。
いずれの場合も、治療後の確認検査は必要です。

男性の場合、治療法は女性と同じですが
クラミジアの検査は尿で行います。

できれば朝起きたときの尿が最適です。 


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ニュースでもエイズ感染

昨日、HIVの感染について配信したばかりですが
ニュースでもHIV感染の増加について配信されていました。

なぜ増える「エイズ感染」 同性愛者対策に遅れ? - 速報:@niftyニュース.

あまりのタイミングに
ちょっとビックリです。

新規のエイズウイルス感染者の年齢は25~34歳が中心で
エイズ発症者となると35~44歳が中心となります。

えっ、エイズウイルスに感染したのがエイズじゃないの?
と思われる方もいらっしゃるかと思います。

エイズウイルスは血液中のリンパ球に感染します。
くわしく言うと、CD4陽性Tリンパ球に感染します。
そして、このリンパ球を次々に壊していきます。

リンパ球は、細菌やウイルスの感染から身体を守る大切な役割をしています。

リンパ球が破壊されていき
その数が通常の約半分まで減ってくると

原因不明の発熱や下痢が続いたり、
帯状疱疹や肺炎を繰り返したり
カリニ肺炎、カポジ肉腫などになったりします。

さらにリンパ球が減少して
通常の5分の1にまで減少すると
免疫は破綻状態となって
次々にいろいろな感染症にみまわれます。

この状態が 後天性免疫不全症候群
Acquired Immuno Deficiency Syndrome の頭文字をとって
エイズ(AIDS) と呼ばれる状態です。

感染してからこのエイズになるまでは
10年前後経過すると言われています。

そして厄介なことに
感染からリンパ球が半減して
様々な症状があらわれるまでは
ほとんど変化は見られないのです。

失われた10年ではないですが
静かに潜行する10年です。

感染に気がついていなければ
いきなりエイズ発症です。

エイズウイルスに感染しているかどうか?
これは検査を受けなければわかりません。

そして気になることがもうひとつ・・・

30代以上の感染者では
女性は20%以下ですが

24歳以下の感染者では
女性が約半数を占めるということです。

若い年代では、
男性同性愛者の間ばかりでなく
男女のセックスにおいても
感染が広がっているということになります。

なぜ増える「エイズ感染」 同性愛者対策に遅れ? - 速報:@niftyニュース.

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近くにいないHIV

昨年、平成20年1年間で1557人がエイズウイルスに感染しました。
現在のエイズウイルス感染者数の合計は17000人になり
現在も1ヶ月あたり120~130人のペースで感染が広がっています。

しかし、知り合いや友達にもエイズに感染した人はいないし
そんな話もきいたことはないし・・・ほんとかなぁ?

こう思われる方も多いと思います。

たしかに、自分の周辺にHIVに感染した人が見あたらなければ
ほとんど実感はないでしょう。

しかし感染者は確実に増えているのです。

エイズウイルスに感染者した人の傾向は3つあります。

1.男性
2.男性同性愛者
3.大都市とその周辺

昨年あらたに感染したのは1500人あまりですが
その中で女性は100人ほどで10%にも達しません。
そのほとんどは男性なのです。

エイズウイルスの感染は
その90%はセックスによるものですが
そのうち70%は同性間の接触
男性同士のセックスによるものです。

男性同士ですから、妊娠の可能性がありません。
コンドームを使用する率が低いのです。

特定のパートナーがいる人もいますが
多くの場合、同じ趣味をもつ人たちが集まる場所で
不特定の人たちと交わることが多くなり
不特定多数とのセックスということになります。

そしてこのような場所は、東京、大阪などの大都市に多く
東京都、大阪府、神奈川県、愛知県で
感染者の約60%を占めています。

このようなことから
男性、男性同性愛者、大都市
というキーワードができてきます。

でも、なぜ男性なのでしょうか?

エイズウイルスは、血液中のリンパ球に感染します。

肛門の粘膜は弱く
アナルセックスによって傷ついて
出血することが多く
ここからエイズウイルスが感染するのです。

またエイズウイルスだけでなく
梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマなども
同時に感染していることが多くなっています。

このことは、梅毒や尖圭コンジローマの急増の原因の一つになっています。

まだ女性の感染者は少ないのですが
今後増加して、男からも女からも感染するとなってくると
感染者は爆発的に増えていきます。

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性病の移り変わり

昭和23年に施行された性病予防法では

梅毒、淋病、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫の4種類が

性病であるとされました。


その後、フェラチオなどオーラルセックスの一般化、風俗産業の多様化によって、
セックスのかたちもバラエティーに富むようになってきました。

それによって性病も多様化して
性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、クラミジア感染症、HIV感染症
などの感染症が広まって
従来の4種類の性病だけでは対応しきれなくなり

平成11年に性病予防法は
伝染病予防法、結核予防法、エイズ予防法と統合されて
あらたに感染症法という法律が施行されました。

この法律で性病に関係するものは

性器クラミジア感染症、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒、淋病
HIV感染症、ウイルス性肝炎、アメーバ赤痢があり

セックスによって感染が広がる可能性のあるものは
ほぼ網羅されています。

ここ10年間の傾向としては

性器クラミジア感染症や淋病は
平成14年をピークに減少の傾向にあり

一方、性器ヘルペスや尖圭コンジローマは
年々感染者数が増加して
平成11年のほぼ2倍の患者数になっています。

前回お話しした梅毒は
平成15年までは減少していましたが
この年を境に年々増加の転じています。

HIV感染症は感染者は年ごとに増え続け
平成11年に年間600人くらいだったものが
昨年1年間の感染者数は1500人にもなっています。

感染者数は少ないのですが
アメーバ赤痢はこの10年間で
感染者数は3倍になっています。

性病全体として
クラミジア、淋菌などの細菌性の性病は減少の傾向にあり
ヘルペス、コンジローマ、HIVなどのウイルス性の性病が
年々増加しています。

かつて性病予防法で規定されていた
梅毒、淋病、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫のうち

軟性下疳と鼠径リンパ肉芽腫は
現在ではほとんどお目にかかれなくなり
時代の流れを感じます。

鼠径リンパ肉芽腫は、第4性病ともいわれ
当時は新しい性病とされていましたが

この病気の正体は
なんとクラミジア感染症だったのです。

淋病、梅毒、クラミジア
これらは性病のなかでも
かなり根強いものを感じます。


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梅毒ジワジワ

平成14年頃をピークに、
淋病やクラミジアなどの
細菌性の性病は
徐々に減少する傾向にあります。

そんな中で
ヘルペス、尖圭コンジローマ、HIV感染症などとともに

年々増加している性病が梅毒です。

感染者数は、平成12年の760人をピークに
平成15年には500人程度まで減少しましたが
その後増加に転じて
昨年は820人まで増加して
平成12年を上回っています。

性病全体から見た感染者の割合はまだ少ないのですが
年を追うごとにじわじわ増えています。

症状としては
感染から3週間後に
初期硬結という
大豆ほどの大きさの
硬さのあるしこりの様なものができ

やがて潰れて
硬性下疳という潰瘍をつくります。

しかし最近は、初期硬結も
ヘルペスのような水疱状
尖圭コンジローマの様なものなど
変形したものもみられ

また初期硬結を作らずに
いきなりバラ疹という細かい発疹が
全身にできる
といういこともあります。

初期硬結やバラ疹は
あまりお目にかかる機会がないので
ヘルペス、尖圭コンジローマ
はては、アレルギー性の発疹と見間違い
治療をしてしまうことがあります。

かつては
性病をみたら、梅毒を疑え!とまで言われ
淋病とともに性病の代名詞でしたが
現在では、クラミジアやHIVに
すっかり取って代わられてしまいました。

梅毒の場合、
検査方法は確立されていますから
疑わしくはまず検査です。
これで、白か黒かはハッキリします。

治療法も確立されているので
検査で感染がわかり、治療をしていけば
完治します。

ただ、血清の瘢痕化といって
梅毒に感染した痕跡が
長年にわたって残ってしまい
検査結果が陽性に出てしまうことがあります。

完治はしたが、梅毒を疑われる
ということになってしまいます。

妊娠、出産、入院などの検査で
梅毒感染の疑いをかけられて

そのたびに再検査をして
治療をして完治していることを話さなければならず

治っても、ちょっと厄介な病気です。

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クラミジアって、なんだ?

クラミジア感染の経路や症状、
クラミジアの検査法や治療方法などは
たくさんの知識や情報が公開されています。

それでは、クラミジアってどういう細菌でしょうか?
ちょっとお話ししていきます。

クラミジアは、偏性細胞内寄生性細菌といい
ちょっと舌を噛みそうな名前ですが
要は細胞の中でしか生きられないのです。

他の細菌類はご存じのように
栄養分を染みこませた寒天培地の上で
一定の温度に保ってあげれば

栄養分を吸収して
自分でどんどん増殖していくのですが
クラミジアにはそれができないのです。

細胞の中にある栄養分や酵素を利用しないと
成長して増殖していくことができないのです。

クラミジアの仲間は3つに分けられます。

まずは、クラミジア・トラコマチス

もともと、トラコーマという結膜炎の原因になる細菌として
知られていたのですが
いつの間にか、性感染症の代表選手になってしまいました。

つぎは、クラミジア・シッタシ

これは鳥のフンに排泄されて
乾燥して飛び散ったものを吸い込むと
肺炎を起こします。
オウムの糞から感染することが多く
オウム病といわれます。

最後が、クラミジア・ニューモニエ

これは最近見つかったもので
人から人に感染して肺炎を起こします。
まだ、感染経路などはよくわかっていません。

クラミジアの感染は
基本小体という粒子状のものが
細胞に取り付きます。

これが細胞内に取り込まれると
網様体というものに変化して
細胞内の養分を取り込んで成長し
分裂して増えていきます。

どんどん分裂して増えていきますから
細胞はクラミジアでパンパンに膨れあがります。

そして堪らず
細胞は破裂してしまいます。

このとき網様体は再び基本小体となって
周囲に飛び散って
また周りの細胞に取り付いて
取り込まれ
増殖を繰り返して
感染を周囲に広げていきます。

クラミジアは細胞の中でしか
生き延びられませんから

クラミジアが空気中をフワフワ漂って
感染することはありません。

セックスによる性器同士の接触や
精液中にも含まれるので
精液が喉や性器の粘膜に触れることでも
感染します。

だから直に触れないことが
感染を防ぎます。

コンドームは
感染予防に大きな役割を果たします。

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PGUという尿道炎

また新しい性病なの?

と思われた方もいらっしゃると思いますが、
PGUとは、Post Gonococcal Urethritis の頭文字をとったもので
日本語では、後淋菌性尿道炎と訳されます。

これは淋病、淋菌性尿道炎の治療後に
淋菌はなくなっても
痛みや違和感、分泌物で下着が汚れるなど
尿道炎の症状が残ってしまうものです。

先日もの相談で

「2,3ヶ月前に淋病に感染して治療したのですが
今ひとつスッキリしないというか

尿道が痛がゆいような感じがして
オシッコをしてもスッキリしないんです。

朝に透明なネバッとしたようなものが
パンツに付いていることもあるんです。

淋病の検査をしても異常はなく
尿の中に白血球があると言われました。」

何度検査をしても淋菌は全く認められず
しかし、尿には白血球があり
まだ尿道炎の症状が残っている。

さて、この謎の尿道炎の正体は?

この原因は、クラミジアだったのです。

今から30年ほど前は
まだクラミジアの検出ができなかったので

淋病の治療後に
約30%はこのような症状がみられました。

現在、淋病の25~30%に
クラミジアの感染も合併しているといわれます。

淋病の治療に使われる
ノイセフ、ロセフィン、セフスパンなどのセフェム系や
トロビシンなどの抗生物質は
クラミジアには全く効き目がありません。

これらの薬で淋病の治療をしたときには
クラミジアも一緒に感染していれば
そっくり残してしまうことになるのです。

クラミジアの治療には
ミノマイシン、ビブラマイシンなどのテトラサイクリン系や
クラリス、ジスロマックなどのマクロライド系抗生物質
あるいは、クラビット、オゼックスなどのニューキノロン系抗菌剤
を用います。

また、クラミジアやほかの細菌類も検出されないけど
尿道炎の症状が残ってしまうことがあります。

この場合、一番考えられるのが
マイコプラズマです。

これはまだ一般的な検出方法ができていないので
調べるのが難しいのですが

クラミジアに使用されるのと同じ薬が
マイコプラズマにも効き目があるので
これらの薬で治療します。

あらゆる菌に効き目がある
抗生物質や抗菌剤は
今のところ見つかっていないので

尿道炎はこのように
段階的に治療していきます。

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ヘルペスは治らない!? その続き

「え~っ、妊娠すると
再発しちゃうんですか?

やっぱり赤ちゃんはあきらめる・・・
ということですか?

いや、妊娠も出産もだいじょうぶですよ。

いま産科では、
出産の時のヘルペスの感染には
細心の注意をはらっています。

分娩時に性器にヘルペスがあると
母親が初感染では50%、再発の場合は5%の確率で
赤ちゃんにヘルペスの感染が起こるとされています。

すでに母親にヘルペスウイルスの感染がある場合には
ウイルスに対する抗体ができていて
これが胎児にも移行するので
ヘルペスの感染から守られているのではないか
といわれています。

ウイルスの量も
初感染では再発に比べてかなり多いので
このような差があるのではないかとも
いわれています。

ヘルペスの治療に使用される薬剤は
おもにゾビラックスやバルトレックスですが
これらの薬は、胎児にほとんど影響を及ぼさない
ことがわかっています。

妊娠中の感染や再発については
これらの薬を使って治療をすることができます。

もしも、出産直前に感染や再発があったときはどうでしょう?

出産まで1ヶ月以内であれば
まだウイルスが産道にでている可能性があり
赤ちゃんに感染する危険性があります。

この場合は感染を避けるために
帝王切開になるようです。

ヘルペスのウイルスを持っていても
妊娠中に感染してしまっても
無事に出産できる態勢はは整っています。

「ヘルペスに感染しても、治療をすれば
怖がることはないんですね。

結婚も出産もだいじょうぶなんですね。

よかった

ありがとうございます。」

プープープー


ヘルペスに感染した人の約70%は
パートナーに症状がなかったと言われます。

これは無症候感染といって
ヘルペスの症状はないものの
ウイルスが性器に出てきているのです。

ヘルペスに感染して治療しても
6ヶ月から1年間は
この状態が続いています。

本人には自覚がないけれど
相手に感染させてしまう
やっかいな状態です。

これを防ぐには
やはりコンドームの着用です。

ヘルペスに限らず
コンドームは性病からあなたを守ります。

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ヘルペスは治らない!?

昨日はスカッと
やっぱりサンサンと輝くお日様は
気持ち良かったのですが。

今日はまた
いまいちのお天気です。

そろそろ梅雨入りでしょうか
アジサイもきれいに咲き出していますし

さて今日もご相談のが鳴ってます

トゥルルルル・・・・

「あのぉ、ヘルペスに感染したら
もう一生治らないのですか

う~ん、確かに言われればそうなんですが・・・

「もう、結婚も妊娠もできないんですか

いやぁ、そこまで深刻な問題じゃあないんです。
まぁ、落ち着いて・・・

たしかに、一度感染したヘルペスのウイルスを取り除くのは
ほとんど不可能です。

ヘルペスウイルスが、口や性器の粘膜に感染すると
まず神経を伝わって脊髄に潜り込んで潜伏します。

ここで活性化して、再び神経を伝わって
口や性器に出てきて、
皮膚や粘膜に水疱や潰瘍をつくります。

この痛がゆさを伴う水疱や潰瘍が
ヘルペスの主な症状になります。

この表に出てきたウイルスを抑えるのが
ヘルペスの治療になります。

活動的に表面にでてきたものだけを
退治しているだけで
脊髄に隠れている黒幕、本体については
手が出せないのです。

この脊髄に潜んでいるウイルスは
薬もここまでは届かず
治療の施しようがありません。

だから、ヘルペスは一生治らない!
といわれてしまうのです。

でもこの脊髄にいるウイルスたちは
人体に対して、
何ら悪さをするわけでもなく
免疫力によって活動を抑え込まれて
ただジッと静かにしているだけです。

ただ、ストレス、疲労、風邪などの発熱、飲酒、セックス、妊娠などによって
抑え込む力が弱くなって
ウイルスの活動が活発になって
再発することがあります。

再発の予防としては
規則正しい生活・・・・というか
あまり無理や無茶な生活をしない
不摂生は避ける
と言うことでしょうか?

「え~っ、妊娠すると
再発しちゃうんですか?

やっぱり赤ちゃんはあきらめる・・・
ということですか?

いや、妊娠も出産もだいじょうぶですよ。

ということで
今回はここまで
このあとは次に続きます。

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ペニシリン信仰~淋病をペニシリンで治した~

今日も朝から雨です。
結構強く降っていたりもしました。

このような天気のなかでも
雨に濡れながらでも
診察にお越し頂く患者さんは
ありがたいです。

しっかり治すぞ!
という気持ちが伝わってきます。

こちらもしっかり治していきます。

今日、お越しにならない患者さんは
適当に・・・・
というわけではありません。

しっかり治療いたします。

ただ、意気込みとか気持ちとか
あるかないか、
持つか持たないかで
最後のところが微妙に差がつくことがあります。

そして本日も相談の

トゥ、ルルルル・・・

「あの、そちらでペニシリンの注射を打ってもらえますか?」
ちょっと年配の感じの声

「ペニシリン系の薬はありますが・・・
膿とか痛みとか、なにか症状がございますか?」

「ひざに水が溜まって、
ペニシリンの注射ですぐに良くなると
知り合いに聞いたものだから。」

「それは性病科ではなくて
整形外科が専門だと思いますが・・・」

「整形外科にきいてみたのだけど
ペニシリンの注射はないと言われて。

以前淋病にかかったときに
ペニシリンの注射で治ったことがあったから

ペニシリンはよく効くんですよ。

注射をお願いできませんか。」

「水が溜まる原因はいろいろあるので
まず、その原因を突き止めないといけないです。

ペニシリンを注射して
悪くなってしまうこともありますよ。

まずは整形外科で診察してもらってください。」

「やっぱりペニシリンは打ってもらえませんか・・・

とりあえず、整形外科にいってみます。

ありがとうございました。」

プープープー

今から40年くらいまえは
淋病にペニシリンの注射は著しい効果がありました。

しかし、あまりに乱用されたために
ペニシリン耐性淋菌
ペニシリンに抵抗力をもってほとんど効き目がない淋菌
があらわれて
ペニシリンは淋病にはさっぱり効かなくなってしまいました。

そのころに治療した方たちは
ペニシリンの素晴らしい効果を目の当たりにしていますから
ペニシリンを使ってくださいというリクエストは
意外に多いのです。

現在では主に
セフェム系と言われる
ペニシリンのあとにでた抗生物質や
トロビシンという淋病専用の抗生物質で
淋病の治療をします。

ところが、淋病にペニシリンが使われなくなって
20年、30年と経ちますと
淋菌の方でもペニシリンに対するガードが甘くなって
再びペニシリンの効果がでてきています。

もちろん薬自体も改良されて
パワーアップしています。

今度はまた効かなくなるということがないように
大切に使っていきたいですね。


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性病の勘違い~クラミジア~

昨日の晴天から一転して雨です。

こういう日は、患者さんも少なめ・・・
性病科って、結構天気に左右されます。

だから、はゆっくりと診察も受けられて
意外にお勧めです。

でも今日は休診日。
診察はお休みなので
ゆっくり記事をかいてます。

保健所などでは
HIVの検査を受けて
ついでにクラミジアも調べてもらえます。

「エイズには感染してないけど
クラミジアに感染してるよ!」

え~っ、どうしよう。
でも?いつだろう?
覚えがないよぉ。

ということで
相談のがかかります。

「あの~、血液検査でクラミジアに感染したみたいなのですが」

クラミジアの血液検査は
クラミジアの菌を直接調べるのではなく
クラミジアが感染して血液中にできた抗体を調べます。

クラミジアの抗体は
以前にクラミジアに感染したことがあるという痕跡で
治療して完治していても、
長い間、血液中に残ります。

必ずしも、現在感染していることにはなりません。

いま感染しているかどうかは
男性なら尿で、女性は膣分泌物で検査します。

これらの検査は、現在クラミジアに感染しているかどうかを調べます。

もし、気になるのなら
こちらの検査を受けてください。

「わかりました。
そういえば何ヶ月か前に
クラミジアに感染して治療したことがあります。

一瞬、まだ残っているのかと思いました。
検査して陰性なら問題ないのですね。

ありがとう、ございました。」

ぷーぷーぷー

クラミジアは、性感染だけではありません。

トラコーマという目の病気
結膜炎もそうですし

同じクラミジアの仲間で
肺炎を起こすのもありますし

鳥のオウムから感染する
オウム病も
同じなかまです。

このような病気にかかっても
血液検査では陽性にでてしまうことがあります。

それでは、また・・・

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性病の勘違い~喉の感染~

いよいよ、新型インフルエンザが日本にも侵入してきました。

インフルエンザの主な症状といえば
発熱と喉の痛みです。

このところ性病の相談で多いのが喉の痛みです。

淋病やクラミジアの喉の感染が話題になって
気になる方も多いと思います。

喉がおかしい、いがらっぽい、痛い!
こんな症状があらわれて、
アレッ\(;゚∇゚)/と思われているかも・・・

しかし、淋菌やクラミジアが喉に感染しても
ほとんど症状はありません。
なんかおかしいかなぁ・・・くらいです。

だから、知らず知らずのうちに自分も感染して
パートナーにも感染させてしまうのです。
だって、喉が痛くてフェラチオもないですよね。

喉は何でもなくても
淋病やクラミジアの尿道炎の症状はしっかりでます。

「セックスしてないのですけど、膿がでて痛みがあるんです。」
「でも、フェラチオとか覚えはありませんか?」
「あっ、あります。」
「そのときに感染してますね。もしかしたら淋病かも。」
「エーッ∑(゚∇゚|||)」

ちなみに女性の方が喉の感染は多いです。

舌の先で愛撫するのと
口の奥まで入れてしまうのではかなり違いますし
口の中で射精をしたなら
感染の危険性はグーンとアップします。

喉が痛い
ものを飲み込む時に痛い
これらは、風邪や扁桃腺炎の症状です。

そのときは、性病科よりも耳鼻咽喉科へ
淋菌やクラミジアの感染があっても
一緒に治せます。
何よりもノドは耳鼻咽喉科が専門ですから。

さて、次回はどんな勘違いでしょうか?

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性病の勘違い

連日、メキシコ発の新型インフルエンザの話題が取り上げられています。

メキシコでは、「キスは控えるように!」という保健大臣の声明もでているようです。
現地では人に会ったときに頬に3度キスをする習慣があるようです。

インフルエンザウイルスは
感染者の周囲にいるだけで、感染が広がってしまうような
強い感染力のあるウイルスですから
直接触れることによって、
さらに危険性が増してしまいます。

それでは性病の細菌やウイルスについてはどうでしょうか?

細菌類では、淋菌、クラミジア、梅毒トレポネーマ
ウイルスでは、ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、HIVウイルス
そのほかには、カンジダ、トリコモナス、ケジラミなどがありますが

性病は、性行為感染症ともいわれ
セックスによって性器同士が、あるいは性器と体の一部が接触することで感染します。
それも少し触れた程度ではなく、
ある程度接触している時間が必要になり
感染力という点から考えると、かなり弱いものになります。

性病は、性行為を介した接触によって感染していきます。
ですから、食事、入浴、トイレなど日常生活からの感染はありません。

最近は、淋菌やクラミジアの喉への感染が多くなっていますが
これもフェラチオなどのオーラルセックスが広まっているからです。

淋菌やクラミジアは、喉の粘膜に感染するので
唾液中にはありません。

みんなで食卓を囲むことで
感染する、感染させてしまうということを心配される方がいますが
食事からは感染しません。

口のヘルペスも、
キスなどで直接唇に触れることによって
感染の可能性は考えられますが
口に運んだ箸から食品を介しての感染は考えられません。

ましてや会話などで唾液の飛沫から感染することはないのです。

温泉で感染したのかも?という相談もありますが
浴槽の中では、まず考えられません。

浴槽の縁や腰掛けたイスからでは・・・という方もいらっしゃいますが
これもまずありません。

心配ならば、お湯を流してから腰掛ければ問題ありません。

ただ、家庭用のお風呂の場合では浴槽が小さくなるので
尿道から膿や分泌物がある場合、女性では帯下(おりもの)がある場合は
最後に入浴するようにしてください。

サイズが小さい分、感染の確率は上がりますし
特にお子さんに感染させてしまうことがあります。

下着に膿や帯下が付いているときには
50℃のお湯に5分間浸してから洗濯してください。
これで性病の細菌やウイルスは死滅してしまいます。

そして性病の感染を防ぐもっとも有効な方法は、コンドームを着けることです。


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